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畠中祐の〝いま〟を閉じ込めた2ndアルバム「REAL」インタビュー
――8月17日にリリースされる2ndアルバム「REAL」は、どんな作品にしたいと思ったのでしょうか?
畠中:コロナ禍でライブができない期間、1stワンマンライブ「TASUKU HATANAKA 1st LIVE -FIGHTER-」を経験して得た楽しさや気持ちよさを「もう一度感じたい」という思いがさらに増していったんです。いつ開催できるかわからないけれど、次の有観客ライブへと繋がるような作品をリリースしたいという思いでつくったのが「REAL」でした。
――「REAL」というタイトルも、この時代だからこそなのかもしれないなと思いました。タイトルや作品のテーマに込められている思いとは?
畠中:制作陣が〝いまの畠中祐の気持ち〟を重視してくださったので、自分が置かれている状況やいま僕はこういう気持ちですとはっきりお伝えしたんです。その結果、「REAL」というタイトルになりました。
――表現したかった「いまの気持ち」とは?
畠中:例えば、コロナ禍でアニメの収録現場が少人数になって、ほかのキャストの方となかなかお会いすることができなくなったりと、リアルでの人との繋がりというのが以前に比べて希薄になった気がするんです。その一方で、SNSでの繋がりは強くなりましたよね。そうやって〝人と繋がる〟ということに関して、リアルでは薄いんだけど、SNSでは濃くなっているみたいな、ある種の矛盾を抱えながらも、目の前にあるツールとポジティブに向き合っていかなければならない。それこそがいま、目の前に置かれた僕らの「REAL」なのかなと思って、自分のなかではすごく腑に落ちたんです。
――向き合わないといけないけれど、はっきりとは掴めないものというイメージですね。
畠中:そうですね。でも、それを音楽で表現するのは難しくて……制作陣と話し合うなかで生まれたのがリード曲の「Feel the Real」でした。プラスの感情もマイナスの感情も、すべてひっくるめてリアルだよという、このアルバムの軸となるような曲ができたことはすごく大きくて、そこから人を励ましたり、前向きにするような〝希望のあるリアル〟を切り取ってみようかとか、ちょっと皮肉を込めたような〝マイナス方向のリアル〟も現実にはあるよねとかって、いろんな角度で「REAL」というものを表現できるようになりました。
――今回のアルバムでは「Feel the Real」のほかにも「まだあなたを描いてる」、「Solid」、「UnReal」、「君とのdestiny」が新曲として発表されています。
畠中:「Feel the Real」や「Solid」は、これまでの音楽活動の延長線上にある曲だと思うんですが、ほかの曲はいままで歌ったことがないようなテイストで驚きがありました。どうやって歌ったらいいんだろう?とデモを聞いたときは思いましたが、歌ってみたら、あれ? 自分のなかにあるものと案外近いかもと思いましたし、すごくしっくりきて楽しかったですね。
――リード曲「Feel the Real」のMVはどんなものに仕上がりましたか?
畠中:映像を背負って踊ったり歌ったりしていますが、その映像のなかに映し出されているものが結構リアルだったりするんです。例えば、渋谷の街並みとかのリアルな映像を撮ってきていただいて……本当にその街を歩いているように見えるんですが、振り返るとフェイクというか、ハリボテのような光景が広がっていたり。まさに曲の世界観がそのままMVになった感じです。
――その世界観を表現するうえで意識したことは?
畠中:前向きな気持ちと後ろ向きな気持ちが曲のなかで混在しているので、MVでもいろんな表情を求められるんですよね。ダンサーさんと一緒に踊っているときの一体感から一転して、ひとりになったときの寂しさを表現したり、虚構と現実のはざまにいるような感覚を表現したり。それらの矛盾や相反するものがひとつの曲のなかで作用し合っているのが「Feel the Real」の醍醐味だと思うので、できるだけその世界観を表現できるように意識しました。
――難しかったところなどはありましたか?
畠中:意外と踊るところが少なかったんですが、そのぶん自分の佇まいや動き、表情といった細かい部分を楽曲と合わせないといけない。そこが難しいなと思いました。ダンスをしていれば、ダンス自体が表現になるのであんまり不安になったりしないんですが、ダンスがないとどういうふうに立っていればいいのか、どういうふうに歩けばいいのか……途端にわからなくなってしまうので(苦笑)。曲の波に乗りながら自分のなかでそれらを構築していく作業が新しくもあり、難しいと思ったポイントでした。
――活動を続けていく原動力となっているものは何だと思いますか?
畠中:歌っていたら、すごく楽しい瞬間があるんです。「あー、楽しい! うわー!」みたいな……文章にしにくいと思うんですけど(笑)。それが原動力となっていて、いつもその瞬間を探しているのかもしれません。いつ出会えるかわからないけれど、出会えたときがすごく楽しい。1stライブのときもそうでしたし、レコーディングのときもたまにあるんです。うまくスイッチを入れてその瞬間をつくれたらいいんですけど、自分のなかにあるスイッチの場所がまだわからなくて……どこかに必ずあるはずなんだけど、どこにあるのかはずっと探し続けるのかもしれません。
――それでは最後に、KIKI読者、ファンの方へのメッセージをお願いします。
畠中:2ndアルバム「REAL」を引っ提げてライブをやるということで……まだどんなふうになるかはわかりませんが、1stライブを確実に超えていきたいと思っていますし、そのための努力は惜しまないので、楽しみにしていてください!
2ndアルバム「REAL」
2022年8月17日(水)発売
【初回限定盤】
4,400円(税込)/LACA-35004/CD+BD
BD同梱:リード曲のMusic Video、メイキングを収録
【通常盤】
3,300円(税込)/LACA-25004/CD
畠中祐 公式サイト https://www.lantis.jp/artist/hatanakatasuku/
畠中祐 公式Twitter @tasuku_kenpro
文●とみたまい
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