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声優界きっての芸人コンビ爆誕⁉ 「UncleBomb お笑い単独ライブへの道」公開収録レポート
2人の才能に気づいたスタッフから提案された新企画
時は遡り、2022年のあの暑かった夏の日。都内某所の会議室に呼び出された浪川と吉野は、やや困惑した表情をカメラに向けた。「すごい発表がある」と告げられ、まったく心当たりがないあまりに「人違いじゃないですか」と困惑する吉野に、金色のくす玉が手渡される。早速吉野が割ってみると、なかから現われたのは……白紙! どうやらくす玉の正しい向きがわからず、前後逆だったという軽いジャブをかましつつ、改めて出てきた紙を見ると「Uncle Bomb単独ライブ決定!」の文字が。
しかしそこで浪川が、何かおかしいことに気づいた。「いつもと全然違うスタッフじゃん」。「これは胡散臭いよ」と吉野も違和感を隠せない。実は今回の企画は、ライブはライブでも〝お笑い〟単独ライブ! なんとスタッフは、ライブの幕間に2人が客席を沸かせていた「コント」に着目。お笑いの先生として、お笑いトリオ「鬼ヶ島」のネタ担当・おおかわらを迎え、「Uncle Bomb単独ライブ」を行なうまでをドキュメンタリー番組にしようというのだ。
2人の前に現われたおおかわらは、すぐさま浪川と吉野の「お笑い力」を測定。スピード感やセリフの掛け合いのタイミング、体の使い方など、声優とは違った振る舞いにやや苦戦する2人。しかも吉野は「オレ、セリフが覚えられないんだよ」と不安を隠せない。しかし、おおかわらの前でショートコント2本を即興でやりきった浪川は「(単独お笑いライブを)やろう!」と決意。そこから2人はネタづくりと練習を重ね、2022年12月10日(土)、遂に「Uncle Bomb お笑い単独ライブ〜チキンナゲット1ピース〜」の公開収録を迎えたのだった。
なお、ここまでのエピソードは第1話としてYouTubeで特別無料配信されているので、そちらもチェックしてほしい。
うっすら狂気を帯びた吉野のボケに会場は爆笑!
公開収録が行なわれたのは、新人お笑い芸人たちの登竜門的な場所にもなっているスタジオ。公開収録に招待されたファンの期待に満ちた瞳に迎えられ、ベテラン声優らしい軽快な足取りで客席の前に姿を現わした浪川と吉野。淀みない声でライブの始まりを告げた2人は、この日のために練習を重ねたコント5本を披露した。
1本目「声優」は、ピンチヒッターで急遽現場に呼ばれた声優とスタッフのやりとりをネタにしたもので、ときどき飛び出す声優裏話的なセリフに客席は大笑い。浪川本人の芸歴を絶妙にいじる吉野といった、普段の2人の関係性も垣間見える。2本目「紙芝居」も同じく、声優をネタにしたコントだ。こちらは「声優あるあるネタ」を集めたもので、客席のウケも上々。ネタを披露する吉野、それにツッコむ浪川もヒートアップし、時間が経つのを忘れるほど熱中していた(事実、この時点で当初の収録時間をオーバーしていた)。
3本目以降は、声優ネタから離れたコントを披露。学校を舞台にしたシチュエーションコント「ラブレター」で、普段まとめている髪をほどいて長髪姿になった吉野が、奇抜なセリフと独特の間、そしておもしろい動きで浪川を翻弄する。そんな吉野を難なく受け止め、客席の気持ちを代弁しながら会話を進める浪川の様子に、改めて2人のポテンシャルの高さを実感した。
別室のおおかわらが出題するお題をクリアしていく「大喜利」では、吉野がボケの才能をいかんなく発揮。「大喜利は苦手」という浪川も善戦し、いよいよ最後の「漫才」へ。最後のネタという開放感からか、ここで吉野のボケっぷりがさらに加速する。浪川の絶妙なタイミングのツッコミと、吉野が好きなゲームのネタを挟みながら、最後まで勢いよく突き進み、あっという間に終幕だ。
最後の挨拶に立った2人はすっかり新人芸人の顔になり、初舞台をやりきった心境と、観覧のお礼を述べた。第1弾だけではもったいない、ぜひ第2弾、第3弾と続けてほしいという、期待感が膨らんだ単独ライブ。ぜひ、配信でじっくり楽しんでもらいたい。
■収録後インタビュー
——今回お笑いに挑戦していくなかで、相方に「助けられたな」「ボケとツッコミがフィットしたな」と感じたことはありますか?
浪川 吉野さんのぶっとび具合に助けられたってところがあります。ボケとツッコミに関しては、僕が今回ツッコミに回れたのは、すごいよかったと思います。吉野さんのボケは、僕にはできないですもん!
——吉野さんがもしツッコミだったらどうだったと思いますか?
吉野 普段浪川さんと一緒のときはツッコまなきゃいけないなってところもあったりするんですけど、わりとツッコまないツッコミというか。泳がせるツッコミをします。コントみたいに台本で決まってるものだと、多分やりづらいかなと。フリートークだったら、わざとほっといて、ちょいちょいなんか軽くツッコミつつ、最後に「ほら大事故になったでしょ(笑)?」みたいな感じの空気にもっていきたいんです。でもコントってルールが決まっていて、そのときそのときに全部ツッコんであげるのは想像し難いですね。あと、わりと浪川さんがいると、最終的にいつも必ずなんとかしてくれるんですよ。だからこそ、僕のなかで「Uncle Bomb」をやりたいという気持ちもデカいと思うんですよ。そういった意味では、今回お笑いをやるということは、声優でいうと不思議なことかもしれないけど、浪川さんとじゃなかったらできなかったなと思いますよ。本当に。
浪川 かなり不思議(笑)。職業変わってますもん!
——お2人がコントや漫才に挑戦してみて感じた「醍醐味」は何でしょうか?
浪川 コントや漫才は、あの「ズレ」が楽しいんでしょうね(笑)。
吉野 うん。理不尽なことを要求されているのでおもしろいです。普段僕らがやってるものは、逆に心情が繋がってないといえないこととかがあるんですけど、コントや漫才はそうじゃないんだよね。
浪川 そうだね。心情が繋がっていたら普通のドラマですから。コントじゃないですから。
吉野 そういう意味ではどれもやっぱり新鮮でした。ただ、物ボケがとにかく辛い(笑)!
浪川 おおかわらさんに言われて気づいたことがあって、声優の悪い癖が出てて、(セリフを)置きにいったり、聞いてから出るみたいな。〝間〟が声優と全然違うんです。コントや漫才の場合、理不尽なこととかがないと「なんでだよ!」ってツッコめないじゃないですか。普通に整合性がとれて「なんでだよ」と言うところが1個もなくなっちゃうんで(笑)。だから「なんでだよ」とツッコんで、「そうだよね」ってお客さんも思ってくれるのが、やっぱりおもしろいとこだと思います。声優の感覚でよかれと思っていたところが、コントや漫才では違ったりするのが逆におもしろかったし、勉強にもなりました。自分自身がその「ズレ感」が好きだったので、楽しくやれました。
——今回お2人のお笑いの先生・おおかわらさんの印象はいかがでしたか?
浪川 人柄が素敵。おおかわらさんは否定しないんです。こういうふうにしたらいいんじゃないですかとか、「これできないよ」と言っても一旦受け止めてくれるので、すごく助けられました。「これがおもしろいんだよ」って言われると、「おもしろいのは人それぞれじゃないか」と思ってしまうのですが、そこを最初の段階からおおかわらさんの人柄があり、我々も真っすぐに聞けて「そうなんだ、そっちのほうがおもしろいんだ」って気持ちになれました。
吉野 押しつけがないし、こっちのやっていることを尊重してくれて、褒めて伸ばしてくれる先生でしたね。
——お笑いコンビとして、声優界を背負って立っていく(?)お2人の今後の抱負をお聞かせください。
浪川 本当にお笑いをやるってことは、また別かもしれないですね。
吉野 セッション感でバラエティをこなすのではなく、今回はお笑いのネタをつくったり、与えられたネタをコンビとしてしっかりやりきり、いい経験ができたなって思います。声優業って、今、本当に幅広くなっているので、もしかしたら同じようなことに挑戦する人が出てきても不思議じゃないとは思いますよ。でも、負ける気はしないんでしょ⁉
浪川 そうっすね……まぁ、(声優界を)背負っちゃたんで(笑)。
吉野 ここですよ、この人のすごいところ!
浪川 (お笑いが)好きだからこそですよ、それは。
——おおかわらさんから見た「Uncle Bomb」のいいところはどこでしょうか?
おおかわら お2人のお笑いって、7割8割センスだと思うんですよ。もって生まれたものというのが、わりとでかいものなのかなと思っていて。その点では、すでにお2人ともそもそもおもしろい。これは僕が言うと適当に褒めてるのかなって思われちゃうかもなんですけど、10年以上プロダクション人力舎でやってるマネージャーもそう言ってたので(笑)。
浪川・吉野 ありがとうございます。
浪川 どんな汚いことをやっても笑われることがいいんです。
吉野 ちょっと僕はそこまでは……。
浪川 いやいや(笑)。あなたが1番やってるよ。1番汚くやってるよ!
——最後に、これからU-NEXT で本作をご覧になる視聴者の皆さんにひとことお願いします。
浪川 この年になってからの新たな挑戦の姿を見てほしいです。お笑いのプロの人にしっかり真摯に向き合ったつもりです。そういうドキュメンタリー的なところを、真っすぐ受け止めてくれたらうれしいなと思います。本当に、思い出だけにはしたくないなと、ぜひ一生懸命やってる姿を見ていただけるとうれしいです。みんなでつくり上げてる番組の最後のピースは、皆さんが見てくれて初めて成り立つものだと思います。視聴者の皆さんに喜んでもらえるよう頑張ったつもりなので、ぜひ楽しんでいただければ! (吉野さん)すみません、全部言っちゃいました。
吉野 あの、忘れないでいただきたいのは、今、浪川さんが言ってましたね。これで終わらせるつもりはないと言ってましたよね。ちゃんと糧にしたいということもありましたので、やりたいって熱がまたどっかで出てくるかも知れないですよ。これから見る人たちは、浪川さんの言葉をちゃんと覚えたうえで見ていただいて、ジャッジしていただければいいですね。あの……安易にお笑いやろうとすんじゃねぇって。
浪川 ハッハッハッハ(笑)。
吉野 あとは、今回はネタを書いてもらってる部分があるじゃないですか。ホントにもっと極論でいえば、ちゃんと自分らでこれをもっとこういうふうにしようよってネタが書けるようになったら、初めてちょっとだけお笑いできますといえますけど、まだまだ始めたばかりなので、今はとにかく、視聴者の皆さんが、声優だけどこういうチャレンジしてるというのを楽しんでくれたらうれしいなと思います。何度でも繰り返し見るとホントに穴だらけですから(笑)。逆にもう、その穴が開くほど見ていただきたいなと!
浪川 そうですね。もう全部見ていただいて!
吉野 考察していただきたいです。「このネタがこうなのに、なぜここでおかしなこと言ってんの⁉ あっ、これアドリブになっちゃってるけど、こいつらが間違えてんだな」とか。
浪川 皆さん好きでしょ(笑)⁉
吉野 ホント大好きだから(笑)! たぶん、元のセリフがこうだったのかな?と思えるところまで見られるお客様たちだと思うので、ぜひそれぐらい楽しんで、僕らにちゃんと言ってください。
おおかわら とんでもない影響力をもっているお2人ですから、その2人がお笑いに真摯に取り組んでくださるということは、お笑い界にとってもプラスなんですよ。
浪川 いやいや(笑)。いちいちスケールがおっきい…。
おおかわら お笑い界と声優界のかけ橋を背負って立つお二人ですから!
吉野 なんでも背負わせるなぁ(笑)。
浪川 そのリュックが重いなぁ(笑)。
おおかわら いや、僕らからすると本当にお2人のファンの方がお笑いを見てくれるって本当にうれしいことです。
浪川 お互いに交流できたら最高ですよね。
吉野 そうですね!
おおかわら そういった意味で、すごくお笑い業界としてもうれしい気持ちです。今後も引き続きそういった意味でコラボさせていただけたらと。
浪川 もちろんです!
吉野 ぜひぜひ!
「Uncle Bomb お笑い単独ライブ〜チキンナゲット1ピース〜」
●2022年12月10日(土)都内某所
<配信情報>
「Uncle Bomb お笑い単独ライブへの道」(全9話)
【出演】
浪川大輔(Uncle Bomb)、吉野裕行(Uncle Bomb)、おおかわら(鬼ヶ島)
公式サイト https://www.video.unext.jp/lp/unclebomb
<配信情報>
第1話・第2話:2022年12月24日(土)12:00
第3話:2023年1月10日(火)12:00
第4話:2023年1月20日(金)12:00
第5話:2023年1月30日(月)12:00
第6話:2023年2月10日(金)12:00
第7話:2023年2月20日(月)12:00
第8話:2023年3月10日(金)12:00
第9話:2023年3月20日(月)12:00
<配信形態>
独占/見放題
第1話 特別無料公開 https://youtu.be/Sp-71shizn0
文●ナカムラミナコ
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