| PICK UP | 2023.06.16

山下大輝が新たなテーマ、世界観で描く新譜「ヒトコキュウノ」インタビュー

3月に1stアルバム「from here」を発売し、TVアニメ「弱虫ペダル LIMIT BREAK」第2クールエンディングテーマ「アクション」を含む全10曲を届けた山下大輝。さらに今月17日には待望の1stライブ開催を控えるなか、デジタルシングル第3弾となる「ヒトコキュウノ」をリリース! 作詞・作曲をedda、さらにジャケット・アニメーションMVのイラストをかもみらが担当している。山下の新たな表現の方向性を示す新曲に込められた〝裏設定〟、「特別な日にしたい」というライブへの意気込みなどを聞いた。

やました・だいき9月7日生まれ/静岡県出身/アーツビジョン所属/主な出演作品は、「弱虫ペダル」(小野田坂道)、「僕のヒーローアカデミア」(緑谷出久)、「ポケットモンスター」(ゴウ)ほか。


空想力を掻き立てられる
未来へつながっていくバトンのような楽曲


——新譜「ヒトコキュウノ」は、どのようなテーマで挑まれたのでしょうか?
山下:アーティストデビューしてから一貫して、歌でみんなにエールを届けたいという思いで作品をつくってきました。ただ〝コロナ禍でのエール〟は1stアルバム「from here」で一区切りつけるというか、新曲はこれまでとテーマや世界観を変えようと思ったんです。一旦現実から離れてみようかな、ファンタジー寄りに行きたいなというスタート地点からどんどん構想が広がって、SFチックな「ヒトコキュウノ」の世界観にたどりつきました。楽曲の雰囲気もガラッと変化して、また新たなチャレンジになったと思います。

——作詞・作曲は、シンガーソングライターのeddaさんが手がけられています。
山下:事前の打ち合わせでは、楽曲のざっくりしたイメージはお伝えしつつ、あえて僕のなかにあった世界観や設定を詳細にお伝えしなかったんです。いざ実際にできあがった曲を聴いたら、僕が思い描いていたテーマやメッセージをeddaさんの世界観に取り込んでくださっていて、めちゃくちゃ感動しましたね。eddaさんからは「声を武器にしている人にしか歌えない曲をつくりました」と言っていただきました。「声優である山下さんだから、この曲ができたんです。だからこれは山下さんの曲です」と。プレッシャーを感じつつ、とてもうれしかったです。

——「君の声を止めないで」「声を届けにいくんだ」という歌詞も印象的です。
山下:歌詞に描かれた物語とは別に、僕のなかでは「声のバトン」という〝裏テーマ〟も受け取りました。楽曲に登場する「no.16(16号)」が15号を思うように、僕もこれまで出会ってくれたキャラクターたちのことを考えたんです。声優ってキャラクターからキャラクターへバトンタッチしていく職業でもあると思っていて、それこそ一期一会も少なくなくて。でも出会ってくれたキャラクターがいろいろなものを僕に届けてくれて、だからこそ次につながっていくんですよね。「君の声が僕に力をくれるんだよ」という思いを込めて、未来へとつなげていく曲として歌おうと決めていました。

——実際のレコーディングの様子はいかがでしたか?
山下:当日はeddaさんも来てくださって、その場でディスカッションしながら進めていきました。eddaさんも僕も曲をひとつの物語のようにとらえていて、今回だったら16号たちはそれぞれがどういう性格の子で、どんなふうに心が揺れ動くのかというところを掘り下げていって……。レコーディングというより、アフレコに近い感覚でしたね。1曲のレコーディングとは思えないぐらいの収穫がありました。


——今作でも、アニメーションMVを制作されています。
山下:人類というものが滅亡し、崩壊した世界が舞台です。主人公の16号は世界の果てに声を届けに行くという任務を与えられたロボットで、彼がいろいろな感情に出会っていく物語になっています。今回イラストを手がけてくださったかもみらさんとの出会いは、僕がTwitterでかもみらさんの作品を拝見したことからでした。「この人だ!」「かわいいだけじゃなく生々しさも感じられる作風で、絶対に相性がいいぞ!」と思って、レーベルの方に猛アタックしていただいたんです(笑)。かもみらさんも快諾してくださって、打ち合わせの段階からさまざまなアイディアが飛び交うありがたい環境でした。かもみらさんはマンガも得意とお聞きしたので、MV中ではコマ割りのようなシーンも描いていただいています。そこでもまた得られる情報があると思うので、ぜひ注目してみてください。

——山下さんからは、どんなアイディアを提案されたのでしょうか。
山下:ハートのタンクや、それぞれが身につけている首輪や腕輪などは僕の案です。特にタンクには〝裏設定〟があって、満杯になるとロボットたちの機能が停止するという描写を入れてもらいました。「感情を手に入れたこの旅路が君の人生、あなただけの人生だったんだよ」「機械だったら何百年も稼働していたかもしれないけれど、人間として生を全うした証なんだよ」という……。実はほかにもまだ設定がたくさんあるし、僕自身この物語を終わらせたくないなと思っているんですよね。かもみらさん、eddaさんのつくる世界観が大好きなので、またご一緒できる機会があったらうれしいです。

——6月17日(土)には待望の1stライブが開催されます。意気込みのほどはいかがですか?
山下:絶賛準備中なのですが、あまり実感がわかなくて。バースデーイベントやフェスで歌った時は声出しができなかったので、「客席のあおり方ってどうやるんだっけ……?」みたいな境地に至っています(笑)。さらに今回は生バンドによる演奏ということで、不慣れな分ちょっと怖くもあり、同時にものすごく楽しみでもあります。これまで手拍子で盛り上げていただいていた「Hello」をみんなで歌いたいですし、「Standing Strong」では拳を掲げながらコール&レスポンスができたらなと思います。ライブを通じて曲のイメージや受け取り方が変わっていく、新しい発見ができるのも醍醐味だと思うので、僕もみなさんと一緒に見つけられたらうれしいです。当日はサプライズ企画も用意しているので、ぜひ楽しみにしていてください。特別な日にしましょう。

デジタルシングル「ヒトコキュウノ」
作詞・作曲:edda
編曲:湯浅篤
ジャケットイラスト:かもみら


各音楽配信サービスにて配信中
https://A-Sketch-Inc.lnk.to/Daiki_Yamashita_Hitokokyuuno
ミュージックビデオ
https://youtu.be/hKZx0waIJLQ

<数量限定シングルCD「ヒトコキュウノ」>
収録曲:「ヒトコキュウノ」
仕様:紙ジャケ(予定)
価格:¥1,320 (税込)/¥1,200(税抜)
先行販売:1st LIVE 2023〝from here〟会場で数量限定販売
受注期間:6月19日(月)18:00〜7月2日(日)23:59
「DAIKING」会員限定購入特典:「ヒトコキュウノ」描き下ろしステッカー1枚
受注申込はこちら:https://official-goods-store.jp/yamashitadaiki/

山下大輝 Official Site https://yamashitadaiki.com/
山下大輝 Twitter https://twitter.com/daiking_boy
山下大輝 Music Staff Official Twitter https://twitter.com/DAIKING_staff

藤谷燈子