| PICK UP | 2023.11.24

豊永利行、アーティストデビュー10周年! キャラクターへの思いを綴った書き下ろしアルバム「Charactanswer」

アーティストデビュー10周年を記念するアルバムは、声優・俳優としてキャラクターに息吹を吹き込み、アーティストとして作詞作曲も手掛ける豊永利行だからこそできることを、という発想から、自身が演じたキャラクターへのアンサーソング集という企画CD。コンセプトを聞いただけで興味がわいてくるアルバム「Charactanswer」は11月29日(水)発売。豊永からキャラクターたちに何を伝えるのか……思いの欠片を伺った。

とよなが・としゆき4月28日生まれ/東京都出身/スーパーエキセントリックシアター所属/最近の出演作品は、「Paradox Live THE ANIMATION」(矢戸乃上那由汰)、「Opus.COLORs」(難波道臣)、「天国大魔境」(コナ)ほか。


自分の好きなことが誰かの活力になれば


――10周年、おめでとうございます。どのような10年でしたか?

豊永:もう10年経ったのか、という感じです。10年ってあっという間なんだな、というのを噛み締めつつ、もうちょっと焦ったほうがいいのかな、なんて思ったりして(笑)。振り返ってみると、インディーズから始まり、アニプレックスさんでメジャーデビューして、セルフレーベルを立ち上げて……と、アーティストという枠組みの活動形態を恐らく全部経験できたのは、僕のなかで財産になっていて、濃い10年だったと感じます。

――アーティストとしてのターニングポイントになった出来事などはありますか?

豊永:まだ来てないんじゃないかな。ずっと試行錯誤しながらやっているので、ターニングポイントはなかった気がします。僕のなかでのアーティスト活動は、何か大きな目標があったり、使命を掲げていたりするわけではないので、はたしてターニングポイントが今後来るのかどうかもわからない(笑)。豊永利行という表現者にとっては、アルバムを出させていただいたり、キャラクターソングを歌わせていただいたりするたびに、糧になっている部分がめちゃくちゃあるので、そういう意味ではターニングポイントは、各所に点在しているのかもしれません。

――目標や使命はないとのことですが、ではどのようなお気持ちで音楽活動を?

豊永:純粋に音楽が好きだという気持ちが大きくあって、セルフレーベルだからこそ自分の好きな音楽ができるというのは感じています。また、自分がこうなりたいということではなく、届いた人の背中をちょっと押せたらいいな、という感覚。大きな目標というより、自分が好きなことをやった結果、聴いてくれた人に活力を与えられたらいいな、というのはベースにずっとありますね。

バリエーション豊かなアルバムに


——今回のアルバムは豊永さんがこれまで演じてきたキャラクターへの思いをご自身がキャラクターへのアンサーソングとして書き下ろした楽曲が7曲収録されるとのことで、制作することに至った経緯と今作への意気込みをお聞かせください。

豊永:声優且つシンガーソングライターで、キャラクターたちへのアンサーソングを書いた人は恐らくいないと思うので、前例のないコンセプトのアルバムになるんだろうなと思っています。声優業・役者業と、音楽アーティスト業を結びつけることはほとんどなかったのですが、次にアルバムを制作するときは「自分にしかできないこと」をやってみたい、「自分が演じさせていただいた役(キャラクター)」との紐づけができたらいいなと漠然と思っていて。イベントなどでキャラクターソングを歌わせていただいているときに「キャラクターに対してのアンサーソングって書いてないな」と思ったんです。そういったところから今回の企画のアイデアが生まれました。

――キャラクター選出にあたり、ファンクラブの方々にアンケートを行なったそうで、アンケート結果に対する感想をお聞かせください。

豊永:募集したときには、アルバムのためのアンケートだとは何も言っておらず、僕が演じたキャラクターのなかで好きな人物を3人挙げてくださいとお願いしたんです。なので、上位にきたキャラクターはだいたい予想通りだったのですが、舞台やドラマで演じたキャラクターや、マニアックなキャラクターを挙げてくださる方もしたりして(笑)。その幅の広さにファンの皆さまの情勢を垣間見ることもできたので、アンケートの目的を言わなくてごめんねという気持ちもありつつ、良いアンケートになった気がします。

――今回選出した7名になった理由は?

豊永:アンケートの上位にいたキャラクターたちではあるんですけど、1位から7位ということではなく、全体の楽曲のバランスなどを考えて、という感じですね。バリエーションが豊かになる人選にしたいという思いがあったので、泣く泣く選出から外させていただいたキャラクターもいますし、選出してからは各作品の製作委員会様に許可をいただいて……そこはマネージャーが一番大変だったんですけど。委員会の皆さまも前代未聞の試みなので、各所に確認してみますという感じだったようで(笑)。でも、すぐに快諾していただいて、楽曲や詞も必要な場合はチェックしていただいたのですが、その際にいただいたレスポンスがモチベーションになりました。

——作詞・作曲する際に大切にしたことはありますか? また、制作の際に苦労した点、楽しんだ点などがありましたら教えてください。

豊永:歌詞と曲に関しては当然ですが、その作品・コンテンツを踏襲したもの、その世界観を邪魔しないものというところに重きを置きつつ制作しました。難しいなと思ったのは、アンサーソングをつくっているんだけど、自分が演じているキャラクターなので一人称が「自分」になりがちになってしまって。そこはおもしろいなと思ったのですが、やっぱり曲を書いていくうちに、僕が思うキャラクターに対してのアンサーソングがだんだんと自分のことのようになってきて(笑)。「だったら自分のことのように書けばいいか!」という感覚になったのが、今までにない経験でした。なので、キャラクターへのメッセージっぽい部分もあれば、自分のことのように書いている部分もあるので、聴いてくださる方にはそこも楽しんでもらえればと思っています。あとは、曲のジャンルですね。例えば、〝明るい〟とか〝快活〟などのプラスのイメージの場合、自分の脳みそはひとつなので同じラインにのっかるとアレンジのイメージが似てしまう。その差別化をどう考えようかというところはすごく考えました。例えば、「ツキプロ」の大原空くんや「Free!」の椎名旭くんなど、「明るさのベクトルは違うけど、向いている方向は一緒」みたいな、似てしまいそうな人物たちの差別化というところが、少し苦労した点です。自分の演じてきたキャラクターを思いながら曲を考えている時間は楽しかったです。作品によっては終わっているものもあるので、改めて自分のなかで思い返したときに、ちゃんと自分の心のなかにそのキャラクターのことは残っているんだなぁと。昔の作品の台本を読み返したりする作業もしていたので、まるで卒業アルバムを見ているような感覚になりました。

――キャラクターソングではない、でもキャラクターの歌で……レコーディングはどのような心情だったのでしょう?

豊永:「俯瞰」から歌っている感じでした。普段の自分の楽曲を歌うときとも、ちょっと違っていたかも。キャラソンにならないように、ということは意識して、あくまでも「豊永利行が歌う、キャラクターに対するアンサーソング」という形式は踏襲していたんですけど、キャラクターを背負っているから、どこか滲み出るものがあるような。歌っている僕がいて、それを俯瞰で見ている僕もいて、隣にはキャラクターがいて……幽体離脱しているような、不思議な感覚で歌っていた気がします。


——「Charactanswer」の表題曲でもあり、アルバムのタイトルにもなっている「Charactanswer」ですが、どのような思いで制作されたのでしょうか?

豊永:ちょっと哲学的な話になるんですけど「キャラクターとはなんぞや?」という考えに思い至ることがありまして。我々役者業をやっている人は「役」を担って表現をする仕事をしているんですけど、広くみたらみんなそれぞれ何かしらの「役」を生きているよね、という考えに至ったんです。例えば、インタビューする人はインタビューの相手から話を聞く「役」を担っているし、それぞれの皆さんがいろんな役職に就いていらっしゃるなかで、その背負った役というものと皆さんも一緒に歩いていますよね?という問いかけと、職業関係なく「キャラクター」というものに対して自分と向き合ってあげる、というのがうまく混ざって聴いて下さる方に伝わればいいなと考えながら書いていました。「自分と自分の職業というものを横に並べて、一緒に歩いてみたことはありますか?」という問いかけが、皆さんに伝わればと思いつつ、楽しんで聴いていただけたらと思います。

——白背景の空間に置かれたマイクの前に豊永さんが立たれているジャケット写真も印象的です。

豊永:「自分のなかにはいろんな人物やキャラクターがいますよ」ということが伝えたくて、それぞれのキャラクターに僕自身も生かされていますし、支え合う存在だよということが伝わればいいなという思いが大枠にあったので、白背景にマイクだけが置いてあるデザインのジャケット写真になりました。実際、声優業で仕事をするとき、マイク前で表現するときは何もない空間のなかで仕事をしているので、このジャケット写真からスタートし、CDのなかを開けて、ブックレットのなかも開いて見ていただくと、だんだん色付いていくひとつのストーリーのように表現できたらなと。ジャケット写真を見て気になった方は、ぜひCDの中身までの繋がりも楽しんでいただけたらと思います。

楽曲作りはノンフィクションで


――全曲、作詞作曲を手掛けて、変化や成長を感じた点、逆に変わっていないと気づいた点などを教えてください。

豊永:変化したことは、もともと学生時代に友達とゲームをつくっていて、打ち込みでゲーム音楽をつくっていたんです。その延長でインディーズデビューがあったので、最初の頃はゲーム音楽っぽくて、今にして思えば、ボーカルを乗せづらい曲だったなぁと。そこからだんだん音楽に触れる機会が増えていったことで、ボーカルが乗せやすい曲がつくれるようになったかなぁ。それが成長になってるといいなぁという感じですね。変わらない点は、自分は急に音が飛ぶような、歌うのが難しいラインが好きなんだなぁと(笑)。毎回自分で自分の首を絞めているんですけど、歌いづらい曲をつくってしまうのは、いいのか悪いのかわかりませんが、自分の変わらないクセですね(笑)。

――変わらないように心掛けているアーティストとしてのポリシーのようなものは?

豊永:心掛けているわけではないんですけど、基本ノンフィクションです。創作ではなく、僕のなかからもらったヒントを楽曲にする、というのがアーティストとしてのこだわりかもしれません。あとは、誰が聴いても何かしら引っ掛かるような抽象的な表現や、強制的にならないような曲づくりというのは、今も昔も変わりませんね。

――最後に「KIKI」の読者やファンの皆さんへメッセージをお願いします。

豊永:ニューアルバム「Charactanswer」を発売します!と発表してから結構な時間が経ってしまって、そのときから楽しみにしてくださっている方には大変お待たせいたしました。僕が全曲、作詞作曲するフルアルバムは「MUSIC OF THE ENTERTAINMENT」(2014年発売)以来でかなり久しぶりかと思います。そういう意味でも、自分で作詞作曲をやっていた10年前にリリースしたアルバムと、今作の「Charactanswer」の10年の積み重ねがどのように表れているのか? なんてことも昔から応援してくださっている方には楽しめる要素かと思いますし、僕の音楽活動を知らない人にも、キャラクターを知っていれば楽しんでいただけるアルバムになっていると思います。また、このアルバムを聴いていただいた流れで、それぞれの作品を思い出していただいたり、もう一度見返していただいたり、見たことがない人に興味をもっていただいたりしたらいいなという思いもあって、それぞれの作品に対する僕からの恩返し的な意味合いも含まれた1枚です。「好きなキャラクターのアンサーソングがなかった」と思っている方も、このアルバムをたくさん買っていただけると「Charactanswer 2」が出る可能性が出てきますので(笑)、応援していただき、たくさん聴いていただけたらうれしいです。

「Charactanswer」
販売/豊永利行ONLINE STORE https://axelstore.jp/toyonaga_store


【初回限定盤】
2023年11月29日(水)発売
特典/Blu-Ray豊永利行ライブ「“BEST”!! ~音楽は日々の人生だ道化にも光はあたり繋がれる~」
価格/5,500円(税込)
品番/TSM-1008


【通常盤】
2023年11月29日(水)発売
価格/3,300円(税込)
品番/TSM-1007
※各種配信プラットフォームで、デジタル販売有り。

■豊永利行ミュージックサイト https://www.toyonaga.info/
■T’s MUSIC公式YouTube https://www.youtube.com/@TsMUSIC2017
■T’s MUSIC公式X(旧Twitter) @toyonaga_info
(C)T’sMUSIC

垳田はるよ