| PICK UP | 2023.11.17

羽多野渉セルフプロデュースによるコンセプトミニアルバム「Dawn」インタビュー

羽多野渉が新たに生み出すミニアルバム「Dawn」は、羽多野セルフプロデュースによる、 “朗読” と“音楽”とを組み合わせたコンセプチュアルな作品だ。アーティスト活動10周年を経た羽多野が、声優アーティストならではの新たな作品づくりに挑んでいる。声優としての信念をしっかりと携えながら。

はたの・わたる3月13日生まれ/長野県出身/81プロデュース所属/主な出演作品は、「アイドリッシュセブン」(八乙女楽)、「デュエル・マスターズ WIN」(邪神くん)、「呪術廻戦」(重面春太)ほか。


自分の原点である“朗読”と
大好きな“音楽”から生まれる物語


――ひとつの物語を歌と朗読で聞かせるコンセプトミニアルバム「Dawn」。どのような経緯で生まれた企画なのでしょうか?
羽多野:声優になるための勉強をしているとき、最初に教えていただいたのが朗読でした。僕にとって声優としての原点は常に朗読です。今年3月に行なったバースデーライブ(「Wataru Hatano LIVE 2023 - TORUS -」)で、配信で見てくれた方への特典として、僕の朗読にバンドやダンサーさんがアドリブを合わせてくれる映像を作ったんです。企画した音楽プロデューサーさんがそれを気に入って、朗読のコンセプトミニアルバムも作ろうという流れになりました。

――朗読と音楽でひとつの物語となっており、3組6トラックが収録されています。全体のテーマから考えたのでしょうか?
羽多野:そうですね。音楽活動10周年を経て、これからまたどんな作品を作ろうかと考えたとき、自分はなぜ音楽が好きなのかを立ち返ると、夜明け、旅立ち、始まりというワードが浮かびました。生まれ故郷が長野県の朝日村なので、朝日にかけて「Dawn」というタイトルにしたんです。

――まずはMVも制作された、「歩~をりふしの唄~」(朗読)、「をりふしの唄」。大自然の恵みを感じられる壮大な物語です。
羽多野:“をりふし(折節)”は季節、その時々のという意味合いです。テーマは“山”。長野県民は学生時代、年中行事として山に登るんですよ。頂上で見た雲海の景色は生涯忘れないですし、あの成功体験も人生観を変えてくれたと思っていて。そういう懐かしい記憶を掘り起こして作家さんに作っていただきました。ライブでお客さまと一緒に歌うことで完成する曲だと思っているので、一緒に歌ってもらえたらうれしいですね。


――「まどろみ~夢幻の待ち合わせ~」(朗読)、「夢幻の待ち合わせ」は、夢の中で待ち合わせというロマンチックな曲ですね。
羽多野:テーマは“眠り”。昔からお客さまの感想にある、「羽多野さんの歌を聞いてると寝ちゃうんです」という声を肯定的に捉えて、眠れる曲、寝かしつけるための曲を作ってみました。朗読のほうは“明晰夢”について語っています。明晰夢は寝ているときに「これは夢だ」と自覚する夢のことで、肉体は寝ているけれど脳が覚醒している状態なんだそうです。それを鍛えると見ている夢をコントロールできるらしいので、夢の中で会いたい人に会いに行くという物語を作ってもらいました。もし僕が夢を操れたら、翌日の仕事の準備を夢の中でしてしまいそうです(笑)。

後輩の西山宏太朗とコラボレーション
レコーディングを聴こうとしたら……


――最後の「ミチシルベ~星と旅人~」(朗読)、「星と旅人」には、西山宏太朗さんが朗読と楽曲でゲスト参加されていますね。
羽多野:宏太朗と「A3!」のキャラクターソングでデュエットしたときに、彼が持つ歌声は自分にはない魅力だな、面白いなと思ったんです。声質も歌い方も違う僕らが歌うことで、重ね合わせたときにまた違う世界がふわっと広がり、それが歌の中の星空のように見えたらいいなと思いました。テーマは“星”です。

――レコーディングも一緒に?
羽多野:同じ日にやりました。先に僕が歌って、それを宏太朗に聞いてもらって。トークバックで指示とかしちゃおうかなと思っていたら、宏太朗が「見られていると緊張するので出ていってもらえますか?」って。結局、宏太朗のレコーディング中、僕はずっとスタジオの廊下にいました(笑)。

――音楽プロデューサーさんがインタビューに同席してくださっているので、声優アーティスト・羽多野渉さんの強みについて教えていただけますか?
音楽P:音楽専門のアーティストだと、人格を変えて歌うことはなかなかできませんが、羽多野さんはそれができるんですよね。羽多野さんの代表曲ともいえる「I’m a Voice Actor」(2014年「W」収録)ではひとりで色々な役を歌っているのですが、本当にすごいと思いました。今回の「Dawn」に収録されている曲も、羽多野さんにしかできない音楽だと思います。


――「羽多野さんにしかできない音楽」という言葉がありましたが、羽多野さんにとって音楽活動はどういうものですか。
羽多野:僕にとってはご褒美のような活動です。自分の中では、役者、声優が大きな柱で、声の役者である以上は音楽表現も避けては通れません。音楽活動を始めた当初は武者修行のつもりでしたが、一緒に作る仲間が増えて、この楽しい時間はご褒美だなと思うようになりました。音楽活動には全力で向き合っているので、ライブの日は世界で一番楽しい時間にしたいんです。11月19日に行なうワンマンライブも、来てくださる皆さんとその楽しさを共有したいですね。

コンセプトミニアルバム「Dawn」
好評発売中



「Dawn」特設ページ
https://hatanowataru.dive2ent.com/discography/detail.php?id=1019897

「をりふしの唄」ミュージックビデオ
https://youtu.be/3p9AtglGysk

Wataru Hatano LIVE 2023 - Dawn - ライブ情報
日時:2023年11月19日(日)
第1部・14:00開場/14:45開演  第2部・17:30開場/18:15開演
会場:市川市文化会館(千葉)

チケット一般販売開始
ローソンチケット https://l-tike.com/hatanowataru-dawn/
チケットぴあ   https://w.pia.jp/t/hatanowataru-c/
イープラス    https://eplus.jp/hatanowataru/
楽天チケット   https://r-t.jp/hatanowataru

配信チケット発売中
Z-an 販売ページ https://www.zan-live.com/live/detail/10357

羽多野渉 公式サイト http://hatanowataru.dive2ent.com 
羽多野渉 公式X    @hatano_official
羽多野渉 公式LINE  https://page.line.me/996svjbo

大曲智子