| PICK UP | 2023.11.25

羽多野渉「Wataru Hatano LIVE 2023 - Dawn -」第2部レポート

羽多野渉が自身初となるコンセプトミニアルバム「Dawn」をひっさげ、11月19日(日)、千葉・市川市文化会館にて「Wataru Hatano LIVE 2023 - Dawn -」を開催。アーティストデビュー10周年を経て“リスタート”する羽多野が、歌と朗読による新境地で観客を魅了した。KIKIでは、恒例のカバーコーナーにて、八乙女楽として出演する「アイドリッシュセブン」から「幸せでいて」を披露した第2部の模様をお届けする。

アーティストデビュー10周年を経て
歌と朗読による新たな境地へ


この日のライブは朗読から幕を開けた。11月15日(水)発売のミニアルバム「Dawn」に収録された作品で、北極星と旅人の交流を描いた「ミチシルベ ~星と旅人~(with 西山宏太朗)」だ。「Dawn」では朗読と楽曲を交互に繰り返しながら物語が紡がれていく構成となっており、作品の世界観を構築するプロットは羽多野自らが手がけている。ステージ上のスクリーンに映し出された星空を眺めながら、羽多野と西山(声の出演のみ)による朗読をじっくりと味わえる贅沢な時間が流れていく。


物語の終わりとともに、「星と旅人」のイントロが流れ出す。羽多野のオファーで実現したという西山とのデュエットは、2人の声の相性の良さも印象的だ。時に声を重ね、時に会話するように歌う2人は、まさに朗読劇で描かれた北極星と旅人そのもの。客席でまたたくサイリウムの星々も美しく、ライブを通じて作品たちがまた新たな表情を見せてくれる。


続けて「Re Intro」を披露すると、最初のMCコーナーへ。「Dawn」のコンセプトが改めて羽多野の言葉で語られると、会場からは惜しみない拍手が送られた。さらに羽多野は、今回のライブから“声出し”が解禁されたことにも言及。自身の「せーの!」というかけ声に続き、「フゥ〜!」と歓声をあげてほしいとリクエストする場面も。ファンも待ちに待った瞬間とあり、第一声から最高の「フゥ〜!」で応え、大いに盛り上がった。


ダンサー2人をステージに呼びこむと、「Sing and Dance!」からはじまるダンスパートに突入。羽多野の呼びかけでファンが「uh oh oh…」のフレーズを歌ったり、サビでは「Wataru Hatano LIVE 2022 -colors-」で披露された振り付けを一緒に踊るなど、ステージと客席とが一体になっていく。さらに男性目線の歌詞も印象的な「フワリ フワリ」、サビに向けて一気に世界が広がっていくような爽快感がたまらない「ナニイロ」と立て続けにパフォーマンスを届け、会場はますますヒートアップしていった。


興奮も冷めやらぬなか、スクリーンには抽象画を思わせる映像が。ここでふたたび羽多野による朗読がはじまり、会場の空気がガラリと変わっていく。「まどろみ ~夢幻の待ち合わせ~」は夢や眠りをテーマに描かれ、作中には古賀葵、奥友沙絢も登場する(声の出演のみ)。夢を見ていると自覚し、時には思い通りに行動することもできるという“明晰夢”を舞台に描かれる、ちょっと不思議でロマンティックな一編だ。

対となる楽曲は「夢幻の待ち合わせ」。「Dawn」に収録された他の楽曲同様、音楽クリエイターチーム・Arte Refactが手がけている。これまでも「Not Elimination」「Heart To Heart(Album Version)」などの楽曲提供や、「あんさんぶるスターズ!」をはじめとする作品で長年タッグを組んできたクリエイター陣だ。「夢幻の待ち合わせ」では、美しいメロディーラインと、羽多野のささやくような歌声が溶け合った唯一無二のラブソングとなっている。


本編ラストを飾ったのは、羽多野が故郷の長野県、そして自身を育ててくれた山々への想いを込めたという「をりふしの唄」。直前のMCコーナーではコーラスのレクチャーもあり、羽多野の「一緒に歌を完成させましょう!」という呼びかけに、会場は最高の歌声で応えきった。歌唱後に羽多野は客席を見渡し、ぐっと感動を噛みしめるような間を置いてから「ありがとうございました、素晴らしい!」とコメント。客席からも大きな拍手が起こり、互いに最高のパフォーマンスを称えあった。


アンコールは、恒例のカバーソングのコーナーからスタート。曲名が紹介される前から「興行収入28億円」などのキーワードに、客席の“マネージャー”から悲鳴にも似た歓声が! そして「長年に渡って作品を、アイドルたちを支え続けてくれているすべての方へ感謝をこめて、この言葉と歌を送りたいと思います」というメッセージに続いて披露されたのは、「幸せでいて」。羽多野が八乙女楽として出演する「アイドリッシュセブン」の楽曲だ。一瞬で会場中のサイリウムが白に変わり、パフォーマンス後に羽多野も感動した様子で感謝を伝えていた。


さらに“声優アーティスト・羽多野渉”の代名詞とも呼べる「I'm a Voice Actor」と続き、ラストを飾ったのはデビュー曲「はじまりの日に」。声出しが解禁されたことで、ふたたびファンと一緒に歌いたいという思いで選曲したという。ここでもあたたかい歌声で自身の願いを叶えてくれたファンに、羽多野は「すごい、光あふれる世界……。本当にうれしい」と感動しきりの様子。最後に「これからも自分の声が出る限り、音楽もそうですし、いろいろなキャラクターや作品を通じて楽しいという気持ちを伝え続けていきたいと思っています」とメッセージを送り、アーティストデビュー10周年を経て新たなリスタートを切った。


なお公式サイトでは、ライブで披露された楽曲をApple Music・Spotifyのプレイリストにして公開中だ。また第1部、第2部ともに、アーカイブ配信を行なっている。それぞれ特典映像がついており、両部を購入すると羽多野渉×西山宏太朗スペシャル対談も! 配信期間は11月26日(日)23:59までとなっているので、お見逃しなく。

「Wataru Hatano LIVE 2023 - Dawn -」
2023年11月19日(日)千葉・市川市文化会館

セットリスト(第2部)
01.星と旅人
02.Re Intro
03.Sing and Dance!
04.フワリ フワリ
05.ナニイロ
06.夢幻の待ち合わせ
07.をりふしの唄
[Encore]
08.幸せでいて
09.I'm a Voice Actor
10.はじまりの日に

配信チケット
・チケット販売期間:2023年11月26日(日)21:00まで
・アーカイブ配信期間:2023年11月26日(日)23:59まで
https://www.zan-live.com/live/detail/10357

藤谷燈子