2017年9月9日（土）、「うたの☆プリンスさまっ♪」の７周年を記念したアニバーサリーイベント会場で、原作・音楽プロデューサーの上松範康（Elements Garden）、一十木音也役の寺島拓篤によるスペシャルトークショーが行われた。たくさんのファンの愛情のもと叶えられた“奇跡”の道のりを、数多の秘話とともに振り返る濃密な一時間。「これから」を約束する力強い言葉も飛び出し“７”を特別な数字とする本作のメモリアルにふさわしいひとときとなった。

“７”に込めた想い
そしてこれからも――

「アイドルの“歌”を感じてもらいたい」――。そんな上松の思いのもと、先行するキャラソンＣＤおよびリズムアクションを取り入れた乙女ゲームがリリースされたのは2010年。上松が、一ノ瀬トキヤ役の宮野真守とともに登壇した高輪プリンスホテル貴賓館での制作発表会見は、今でも歴史の始まりとして語り継がれる。参加者ひとりひとりに手折りで招待状を出した紺野さやかプロデューサー（ブロッコリー）の「私、命懸けます」という決意、そして集まった50人ほどのユーザーの期待に輝く瞳を前に、上松は「きっと、たくさんの人に愛されていく作品になる」と予感を抱いたという。

まだ「アイドルもの」が浸透していない当初のことを「すべてが新鮮で、ひとつひとつの仕事にガムシャラに臨んでいた」と振り返る寺島。その姿勢は、いつしか「声優・寺島拓篤」と「キャラクター・一十木音也」が、一対一で向き合っているような感覚へと変わっていった。ライブのＭＣも、音也と頭のなかで相談してでてきたものを話すのだという。アニメ４期で迎えた試練を「ファンのみんなが彼を支え、一緒に乗り越えてくれたことが嬉しかった」というが、まさに6thライブで観客を巻き込んで見せたステージはそれを象徴していた。上松は「WE ARE ST☆RISH!!」がそんな音也に向けて作られた楽曲であり、また「一十木」という７画の名字に込めた「音楽に真っ直ぐであってほしい」そして「それを支えるあうのが“７”人のST☆RISHのメンバー」という思いを明らかにした。

「彼らの生きる世界で、ST☆RISHは新人。まだまだ、やることもいっぱいあるはずです。それに、この７年間、キャラクターたちの絆が育まれると同時に、ユニット間の役者同士の関係性も築かれてきた。僕も当初は新人でしたし、あらためて、すごい人たちの中で成長させていただいているんだと感動します。ずっと言い続けているのですが……いつか役者で旅番組がやりたい。こんなに楽屋が楽しいんだから、おもしろいに違いないです！」。そんな寺島の提案に、観客から大賛成の拍手が巻き起こる。

「音也にカレーのＣＭのオファーが来ないかな？」「うた☆プリを伝統芸能に！」「ブロッコリーさんが不老不死の薬を開発してくれないかな？」などなど、作品のファンとして知られるお笑いタレント・岩井勇気（ハライチ）が司会ということもあり、話は尽きない。「このままオールナイト・イベントへ突入しよう！」という熱気だ。配信を開始したばかりのスマートフォン向けアプリ「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」についても、寺島がさすがの腕前を知らしめるなど大いに盛り上がった。

「これからも、みなさんの愛情にお返しできるものを作っていきたい。前向きな責任感を持って、音也と向き合っていきたいです」と、思いを新たにする寺島。この日、ジャケット、ネクタイ、アクセサリーに至るまで星のモチーフを散りばめていたが、さらに、その耳には「一番最初にお客様の前に出たマモちゃん（宮野）に、この景色を見て欲しくて」と、トキヤのカラーである紫のピアスが光る。最後にキャラクターボイスで「今日は本当にありがとう！」と伝えた。

そして、上松は「愛を持って、新しいことにチャレンジしていく」と、宣言。「７周年は奇跡です。ただ、どのタイミングで好きになってくださっても“愛”の気持ちに変わりはないと思っています。これまで『うた☆プリ』を愛してくれる人がいるから続けられたし、これからも力の限り続けたい。10年、いや、それ以上に続けていくために、僕たちは挑戦することから逃げません。みなさんと、もっともっと『うた☆プリ』ワールドを楽しみながら盛り上げていきたいです！」

「うたの☆プリンスさまっ♪」
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©早乙女学園

文●キツカワトモ