- KIKI by VOICE Newtype HOME
- PICK UP 特集記事
- アーティスト活動10周年! 宮野真守初の全国アリーナツアー「EXCITING!」埼玉公演レポート
アーティスト活動10周年! 宮野真守初の全国アリーナツアー「EXCITING!」埼玉公演レポート
感謝を込めたスペシャルなライブ
2008年6月4日、「Discovery」でアーティストデビュー。以降、男性声優アーティストとして初の日本武道館ソロライブなど、荒野を切り開いてきた宮野真守。神戸ワールド記念ホールからスタートした、全国3ヶ所5公演のライブツアー「MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ~EXCITING!~」は、宮野初のアリーナツアー。否が応でも期待が高まる。
熱気に満ちた満員のさいたまスーパーアリーナ。メインステージ中央の大スクリーンに映ったのは、宮野本人。彼が乗るゴージャスな飛行機が大空に飛び立ち、「EXCITING!」のツアータイトルが映し出される。飛行機から降りた宮野はレッドカーペットを歩き、会場へ。するとカメラが、スタンバイ中のさいたまスーパーアリーナに切り替わった。舞台裏のどこかにいる宮野とメンバー“TEAM MAMO”(バンドとダンサーたち)の様子だ。メンバーを紹介し、そして一人で通路を歩いていく。ステージに向かう宮野は、はたしてどこから登場するのか。見えているのに見えていない、その感覚が会場をウォームアップさせていく。舞台装置に入り、手を振る。バンドの演奏が始まった。そして……。
メインステージの中央に赤いレザージャケットの宮野が登場! ピンスポットが当たり、数秒の沈黙。大歓声だけがアリーナに響く中、宮野の「Come On!」の声でギターソロが始まった。新曲『EXCITING!』の力強いメロディライン。ベストアルバムに新録された10周年記念ソングを、いきなり1曲目でやってしまうというサプライズだ。軽快なステップでダンサーと共に激しくダンス。会場全員の度肝を抜いた。
衝撃が収まらないなか、『SHOUT!(Dirty Orange REMIX)』はさらなる驚きを呼ぶことになる。センターステージにいる宮野を、ダンサーたちが鎖で囲んだ。体を鎖に繋がれ、自由に動けない状態での歌唱。最後にその鎖を自らの力で解き放ち、魂の叫びを聞かせた。衝撃の演出から休む間もなく、すぐに『BREAK IT!』を歌い始める。バンドと共にまっすぐに歌い上げる、正統派のロック曲だ。客席に「せーの!」と煽り、会場全体で「BREAK IT!」と叫ぶ。指先で誘うような仕草に、思わず心臓が高鳴った。
今回のツアーでは、曲の合間にTEAM MAMOメンバー紹介がいつにない形で行われた。宮野の楽曲のリミックスに合わせ、メンバー3人ほどの名前がスクリーンに表示され、それぞれがソロのパフォーマンスを見せる。TEAM MAMOとスタッフ、全員が自分にとって欠かせない存在という、宮野の思いが表れているように感じる。
白いシャツに着替えて登場した宮野、会場をしっとりとした空気に変えていく。2010年リリースの『ヒカリ、ヒカル』。表情、指先まで細やかな表現を見せる宮野ならではのパフォーマンスだ。最後にあげられた手は、次の曲『そっと溶けてゆくように』につなげる合図。ベストアルバムにも収録された新曲のエモーショナルなバラードだ。8年前の曲と生まれたばかりの曲が同時に歌われることも、10年やってきたからこそと言えるだろう。ダンサーたちの群舞に支えられ、慈しむように歌い上げた。6曲目の『THANK YOU』も、このセクションにふさわしい温かな曲。「みんなで一緒に!」と笑顔で呼びかけた。
恒例のコーナーもさらにパワフルに
黒のスーツスタイルに着替えてやってきた宮野。「ここからはバラードコーナーです」の言葉で、2008年リリースのシングル 『…君へ』を歌い始める。マイクを軽く手に持ち、声を自在に操りながらメロディを紡いでいく。
「初めて単独で、さいたまスーパーアリーナに立たせてもらっています。みなさんが10年間支えてくれたからこそ、この一歩があった。本当にありがとうございます!」と、ファンに感謝を伝えた。「次はさいたまスーパーアリーナのためだけに用意した曲です。活動してきた中で、エンターテインメントでできることって何もないのかなと、自分の無力さを感じたことがあって。そんな時にみんな(ファン)が支えてくれました。『マモちゃんの歌に元気づけられてます』とたくさんの声をいただいて、僕にもできることがあるんだと思った。自分にできる活動をしていこうと思い作った曲です」と前置きし、「みんなの人生が美しくありますように」と祈るように囁いてから、『Beautiful Life』を歌った。
次のMCではベストアルバムについて話した宮野。「16枚のシングルが並んで、自分の歴史を感じました」と、この10年の活動を振り返った。ファン投票で選んだDisc2について、投票が多かったのがバラード曲だったことを告げる。「ロック、ダンス、バラードを大事にしてきたので、すごく嬉しかった」と、そのファン投票1位のバラード『MOONLIGHT』を、ファンにプレゼントした。
宮野のライブといえば、毎回力の入ったスペシャルムービーが流れることでもおなじみだ。特に今回は10周年記念ツアー。いよいよその全貌が明かされる時間がやってきた。これまでのライブでも様々なキャラクターが登場したが、その中でも印象的な80年代風アイドル“雅マモル”が今回の主人公! 頭にバンダナ、ホットパンツが目印の“永遠の16歳”だ。雅のデビュー10周年ライブの様子から、彼の10年の活動を振り返るドラマがスタートした。所属事務所“ハイテンション”の社長・ちゅるりら健一役に声優の鈴村健一、永遠のライバル落雷孝宏役に櫻井孝宏(共にインテンション所属)がゲスト出演。待望の新曲『激パインティング!』(なぜか冒頭はフォークソング調)も披露。会場は爆笑の渦に包まれた。
スペシャルムービーの最後に、ちゅるりら健一社長が投げキッス。そのまま次の曲『Kiss×Kiss』につながる粋な演出で、宮野がトロッコに乗って再登場。ピンクの光に満ちた会場を周り、隅々にまでKissを届けていく。続いての楽曲は雰囲気を一転、エモーショナルなロックナンバー『オルフェ』。「オイ! オイ!」と客席を煽り、自身も髪を振り乱す。『Magic』ラストパートでは、メインステージのスクリーン映像にこれまでのライブツアーでの衣装を着た12人の宮野がズラリ。宮野本人がその中央に入り、一緒にシンクロダンスをするスペシャルなシーンも。そしてスクリーンに消えていった宮野本人は、最後の最後にセンターステージに登場。まさにMagicな瞬間だった。
恒例のコール&レスポンスコーナーは、男子、女子、アリーナ、スタンド最上階までが参加し、会場が一つに結束していく。しかし楽しいライブにも終わりの時間が近づいてきた。本編最後の挨拶で、デビュー時を思い返した宮野。「僕はシンガーソングライターじゃないから、歌をゼロから生み出すことはできない。でも自分がアーティスト活動をする上で、自分の生き様をしっかり込めたいと思った。役者だからできるパフォーマンスがあるんじゃないかと考えて、だからこそ自分の体で表現することに誇りを持ってきました。エンターテインメントをやろうと思いました。その後クリエイターさんとの出会いで、歌詞を書けるようにもなった。アーティスト宮野真守として、今、自信を持ってここに立っています!」という言葉に、拍手が起こる。「これからも頑張っていきます。だから、みんなも頑張ってください。たった一度しかない人生を謳歌してください!」という、宮野からの力強いメッセージを、その場にいる誰もがしっかりと受け止めただろう。
アンコールで再びトロッコに乗り込み、『J☆S』を歌い終えた宮野は、この日のライブを振り返り、TEAM MAMOのメンバーと楽しい会話を繰り広げる。すると最後に挨拶をしたダンサーFUMIの合図で、本当のサプライズが! 6月8日に誕生日を迎えた宮野へのバースデーケーキが登場。宮野の『Happy Happy Birthday』を会場みんなで歌い、35歳を祝った。宮野考案のキャラクター“こいつ”があしらわれた特製ケーキや、レーザーで書かれた“Happy Birthday”の文字に大喜びする宮野。誰もが忘れられないひと時となった。
「びっくりして息があがってしまいました。最後の曲、一緒に歌ってくれますか? みんな一つになりましょう!」と歌い始めたラストソングは、ライブアンセム『POWER OF LOVE』。気持ちのいい手拍子がさいたまスーパーアリーナいっぱいに広がった。笑顔で帰ってほしいという思いが詰まったラストソング。誰よりも一番にふざけ、そして最後まで手を振り続けた3時間半のライブ。役者でもある宮野だからこそできる、唯一無二のステージがここにあった。10年アーティストであり続けた彼は、これからの10年、20年もずっと、アーティストであり続けるだろう。
MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ~EXCITING!~
●2018年6月10日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
SET LIST
M1 EXCITING!
M2 SHOUT! (Dirty Orange REMIX)
M3 BREAK IT!
EXCITING! Special Remix #1
M4 ヒカリ、ヒカル
M5 そっと溶けてゆくように
M6 THANK YOU
EXCITING! Special Remix #2
M7 …君へ
M8 Beautiful Life
M9 MOONLIGHT
M10 Kiss×Kiss
M11 オルフェ
M12 NEW ORDER
EXCITING! Special Remix #3
M13 Magic
M14 GOLDEN NIGHT
EXCITING! Special Remix #4
M15 シャイン
M16 Discovery
EN1 J☆S
EN2 POWER OF LOVE
文●大曲智子
こちらもおすすめ! >
-
イチオシ
PUSH 01:宮﨑雅也 前編「人の心を動かしたり、支えたりする側の人間になりたい」
2022.07.20
-
最新情報
梶裕貴が表紙&巻頭特集・斉藤壮馬が裏表紙&巻末特集に登場!「ボイスニュータイプNo.084」6月27…
2022.06.14
-
特集記事
TVアニメ「啄木鳥探偵處」浅沼晋太郎×櫻井孝宏 対談インタビュー!
2020.04.06
-
最新情報
入野自由が表紙&巻頭特集に登場!「ボイスニュータイプNo.071」3月25日発売
2019.03.11
-
特集記事
スペシャルイベント「フェス松さん’18」にファン4万人が熱狂! イベントレポート
2018.09.19
-
特集記事
寺島拓篤と上松範康の想いはじける「うたの☆プリンスさまっ♪ 7th Special Annivers…
2017.09.29
公式Twitter