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TVアニメ「啄木鳥探偵處」浅沼晋太郎×櫻井孝宏 対談インタビュー!
さくらい・たかひろ●6月13日生まれ/愛知県出身/インテンション所属/主な出演作品は、「あひるの空」(白石静)、「天晴爛漫!」(ディラン・G・オルディン)、「グレイプニル」(宇宙人)ほか。
おもしろさのある作品
――今回2人が演じられるのは実在した文学界の偉人ですが、出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。
浅沼:僕自身が(啄木と同じ)岩手県盛岡市出身なので、ものすごく光栄でしたが、それだけによりいっそう緊張もしました。
櫻井:これまでも何作品か、実在した人物のお芝居をしたことはありますが、近代の人は難しいですよね。でも、ifの部分も大きい作品ではあるので、偉人と呼ばれるような人たちの人間的なおもしろさがつくれるのではないかなと思いました。
――本格ミステリである原作小説や、台本を読まれての印象はいかがでしたか?
浅沼:ミステリというとどうしても、大掛かりで意外なトリックだとか「誰にも予想がつかないラスト」みたいな部分に目がいきがちなんですけど、どちらかというと「人の思い」というところに焦点を当てた作品なんだなという印象でした。トリックに関して言えば、令和であるこの時代と(作品の舞台になっている)明治ではテクノロジーが違うので、絶対に現代のほうが凝ったことが巻き起こるはずなんですよね。ただ、人の思いというのは時代ごとの道徳、倫理があるにせよ、不変なもののひとつだと思うので、そこに焦点を当てたことで、令和でも全く遜色のない作品になっていると感じます。
櫻井:だから古くささはないというか、モダンな会話劇になっていて、アフレコのときも台本からちょっとずつ言葉を変えながら、よりおもしろいものにしていくという作業が行なわれています。浅沼くんが言ったように、ミステリだけに終始しないおもしろさのある作品ですね。
――啄木が探偵で京助が助手という、いわゆるバディものの作品でもあると思いますが、相棒として共演してみてのお互いの印象は?
浅沼:櫻井さんは、僕が2006年にデビューしたときからずっとお世話になっている先輩で、ことあるごとに、どちらかが主人公でどちらかがラスボスだったり、同じクラスの悪友仲間だったり、ときには加害者と被害者だったり(笑)、何度も共演させていただいてるんです。そんなこともあって「金田一京助役は櫻井さんだよ」と聞いたときには「はぁ~」っていう安堵の息が出ました。なので、改めてどうというよりも、アフレコ収録の最初から「隣に櫻井さんがいるんだ」という安心感のままやらせていただいたので……。
櫻井:実際、隣です(笑)。
浅沼:ありがたい環境だなと思いました。
櫻井:僕も同じ気持ちです。付き合いも長いですし、共演も多くて。浅沼くんは多才な人なので、そういう人じゃないとできない演技というのは啄木でも表現しているなあ……なんて思うと、僕自身ためになりますね。こうやって同じ時間を共有できているのは、本当に素敵なことだなと思います。それは、ほかの共演者の皆さんもそうですけど。
愛すべき明治の文豪たち
――本作品には啄木や京助以外にもさまざまな文豪たちが登場しますが、特に気になったキャラクターはいましたか?
浅沼:僕は野村胡堂さんが好きですね。ミルクホールに集っている文士たちのなかで、ひとりだけ口調や佇まいが他とちょっと違う。「粋」という言葉に僕は弱いので、まさにこのなかで「粋」を体現している胡堂さんが好きです。
櫻井:かっこいいですよね、バンカラな感じが。男くさいというか。僕はミルクホールでたむろしているメンバーの、あの関係性がいいなと思いますね。「働けよ」って言いたくなるような(笑)。でも、あれが仕事であり、必要な作業だったと思うと……。
浅沼:遊んでるようにしか見えないから理解されづらいんですよね。僕もゲーム原作の舞台作品の脚本を書いていたときは、仕事から帰ってきてヘトヘトなのに、そこから朝までずっと原作のゲームをしていました。ゲームをしたり、漫画を読んだり、子供のころはまさかこれが仕事になるとは思わなかった(笑)。
櫻井:純粋に楽しむのとは違うからね。
浅沼:パッと見、遊んでいるように見えるけれど、あれがとても大切なインプット作業。
櫻井:……ということを知っちゃうと、ミルクホールの人たちに対しても愛情をもってしまいますね。このぼんやりしている感じから、後世に残るものが生み出されていると考えると。声優も謎な部分が多少あるから、同じようなイメージをもたれているかもね。
浅沼:僕、マンションの管理人さんからたまに朝「いってらっしゃい」って声を掛けられるんですけど、「あっ、コンビニ行ってすぐ戻ってきます」って答えるんで、たぶん「あの人何の仕事をしているんだろう?」と思われていると思いますよ(笑)。
――4月の放送・配信開始を楽しみにしています。
浅沼:この作品はミステリということ以上に、その時代の空気だとか、その時代に生きた人たちの思いだとか、心の機微までとても丁寧につくられた作品だと感じます。願わくば、この作品を通して、この時代に実在していた作家さんたちの作品に触れてみようと思っていただけたら、とても幸せです。
櫻井:僕の両親も楽しみにしているくらい、どんな世代の人が見てもおもしろさを味わえる作品だと思います。この「啄木が探偵になったら」という、アプローチがまずおもしろいじゃないですか。原作は当然おもしろいですし、アニメ向きのタイトルだと僕は思っているので、そんななかで重要な役をやらせていただいていることをうれしく思います。たくさんの方に見ていただきたいので、ぜひともよろしくお願いいたします。
TVアニメ「啄木鳥探偵處」
●4月13日(月)夜11:00~TOKYO MX、深夜0:00~BSフジ、CSファミリー劇場ほかにて放送開始
WEB http://kimikoe.com/kitsutsuki/
Twitter @kitsutsuki_DO
STAFF
原作=伊井圭(創元推理文庫刊) 総監督=江崎慎平 監督=牧野友映 シリーズ構成=岸本卓 キャラクター原案=佐木郁 キャラクターデザイン=原修一 音楽=高田龍一・高橋邦幸(MONACA) 音響監督=清水洋史 アニメーション制作=ライデンフィルム 制作=東北新社/ライデンフィルム 製作=「啄木鳥探偵處」製作委員会 企画=キミコエ・プロジェクト
CAST
石川啄木=浅沼晋太郎 金田一京助=櫻井孝宏 野村胡堂=津田健次郎 平井太郎=小野賢章 吉井勇=斉藤壮馬 萩原朔太郎=梅原裕一郎 若山牧水=古川慎 芥川龍之介=林幸矢
Ⓒ2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会
撮影●山口宏之
文●仲上佳克
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